最初の家族
聖研の手引き アダムとエバと息子たち
目次
1. 男、女、楽園、結婚 創世記2章
2. 悲劇が襲う 3章
3. さらば楽園 3、4章
4. アダムとエバと息子たち 4,5章
司会者へ:引用する聖書は新改訳と共同訳どちらでもかまいませんが、箇所の
後ろに(新)があるときは新改訳、(共)のときは共同訳を読んで
ください。
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1.男、女、楽園、結婚 創世記1:26―28、2:7−25
*この1番の学びは質問数が多いので、2回に分けてやってもかまいません。
1:26−28(新)
神様は、人間を創るときだれと相談しましたか。(26)
神がaわれわれに似るように、bわれわれのかたちにと思われて、人を創られたことにはどういう意味がありますか。(26,27)
人間と動物の違いは何ですか。
神様に似た形になるために、どうして2つの性が必要だったのでしょう。(27)
地を従わせるという務めは、男と女の両方に与えられました。この世のためになる従わせかたを考えてください。(26b、28b)
28節によると、神の祝福とはどういうことですか。
2:7−9
エデンというのは幸せな場所という意味で、この世のどこかに本当にありました。
2章7節と1章27節を比べてください。どうして神様は人間を創る場面を、まず両性を一緒に、次に別々にと、2回も描写させらせたのでしょう。
今の状態を見て、人間が土から作られたということはどこで分かりますか。
最初の夫婦の日常生活と私たちの日常生活を比べてください。(8−9)
命の木は何のために必要でしたか。いろいろ考えてください。
楽園は、善悪を知る木がなかったらもっと良い所だったと思われますが、その木は二人にとってどんな役割を果たしましたか。
神様はどうして、その2本の大切な木を園の隅ではなく真ん中に置かれたのでしょう。
どうして私たちの人生にも誘惑の場が必要なのでしょうか。(10−17)
10―17
楽園の地理的な場所について4本の川を基に書かれていますが、本当の場所はよく分
かりません。
神様は楽園の場所をあとの時代の人間には秘密にされましたが、それはどうしてだと思いますか。(15)
人は、まだ罪がなかったときからどうしてエデンの園を守り、耕す必要があったのですか。(15)
16節と17節は人類の最初の聖書です。この小さな聖書の中の律法は何ですか、
福音は何ですか。
18−20
名前をつけるというのは、聖書の中では大切な働きです。誰に権威があり、誰が誰の
頭であるかを示します。
神様はしばらくの間、アダムを妻なしでおいておかれましたが、なんのためにそうされたのでしょうか。
動物に名前を付けることは、人類の最初の科学的な仕事といえると思いますか。それはどうしてでしょう。(19−20)
神様との友情、動物との関わり、そして意味のある仕事だけではアダムが幸せでなかったのはどうしてですか。(20b)
18、21−25
18節に出ている“助け”はヘブル語“エゼル”で、聖書の中では普通、神の助けを
いうときに使われる言葉です。ヘブル語の女―issa−は、男―is−から作られ
ています。アダムは、動物に名前を付けたように、女にも名前を付けることが許され
ました。つまり楽園にはすでに、女の頭は男であり、キリストの頭は神であるという
定めがあったのです。
アダムと妻が最初にお互いを見たとき、それぞれの感情を想像してください。
神様が男性にふさわしい助け手として女性を創られた、ということをどう思いますか。
22節から25節にはこの世で最初の結婚式が描かれています。ここでの神様の役割は何でしょう。
24節には、結婚はどういう順序で行われるべきか、主が人々に宣言しておられます。妻に結び合う前に父母を離れるというのは、実際にはどういうことですか。
きちんと親離れをしなかったら、その結婚はどうなりますか。
この個所からすると、神様は同棲や一夫多妻、また愛人関係などのことをどう思っておられますか。
人と妻は裸であったのに恥ずかしがらなかった、というのは、どういうことを表しているのでしょう。(25)
イエスが離婚について問われたとき、こうお答えになった。「あなたたちは読んだことがないのか。創造主は初めから人を男と女とにお造りになった。」そして、こうも言われた。「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」(マタイ19:4−6)イエス様は創造の物語にこのように最後の文章を加えられました。なぜでしょう。
同性愛についてイエス様はここでなんといっておられるのでしょう。
福音
結婚は、神様からすればすばらしいことで、それは神とその民との関係の雛形として使われています。神は花婿、イスラエルー教会はその花嫁です。主の花嫁に対する愛は大きく、花嫁のためには死んでもいいほどのものでした。(エフェソ5:25−27)実際、聖書は子羊の結婚式で終わります。そのとき、キリストと教会は一体となり、幸せが永遠に続くのです。
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2 悲劇が襲う 創世記3:1−20
背景:聖書は、悪がどこから来たか明らかにしていません。私たちはこの箇所で初めてそれを目にします。それは神に敵対するもので、このとき蛇の姿をして現れます。蛇はもともと、気持ち悪い爬虫類ではなく、立派な姿をした動物でした。神は御言葉を男に与え、男はそれを女に伝えました(2:16−17)。しかし、蛇は御言葉をおとしめ始めました。
1−6
悪の源
聖書は悪の源について書いていませんが、どうしてだと思いますか。
1節からすると、次の3つの解釈の中でどれが正しいと思いますか。理由も言ってください。a神とサタンはいつも存在する。b善も悪も神から出る。c神はサタンをすばらしい天使として創られたが、それが堕落して悪くなった。
神には悪い面もあると考えると、キリスト教信仰はどうなりますか。
蛇と女
なぜ蛇は、家族の頭であるアダムに話しかけなかったのですか。
妻は、その実に触れてもいけないと言われたと言いますが、その考えはどこから来たと思いますか。(3)
蛇はどんなやりかたで、女が神の愛と言葉を疑うようにしむけましたか。
蛇はどういう点でうそをつきましたか。どういう点で本当のことをいいましたか。
現代、人々がどんなところで神のようになろうとしているかをいろいろ考えてください。(5)
女はその実を正しく見たのかどうかについて話し合ってください。(6)
みなさんの罪との闘いと、この最初の女の罪との闘いを比べてください。どちらの状況が厳しいですか。どちらの闘いが大変でしょうか。
アダム
アダムはこの場面に、いつ登場しましたか。(6b)
アダムが、妻と蛇との会話をやめさせなかったことは、彼について何を表していますか。
どうして妻は夫も罪を犯すよう、そそのかしたのですか。
妻が差し出した果実を、アダムが食べたのはどうしてでしょう。
禁断の実は、アダムと妻にはどんな味がしたと思いますか。
“禁断の実”は、今日ではどんな知識や経験のことだと思いますか。(5−6)
有害であることが分かっているのに、なぜ今も人間はそんな経験や知識を求めるのでしょう。
7−13
食べたら死んでしまうと神様が脅かされたのに(2:17)、アダムと妻はどうしてすぐに死ななかったのですか。
「アダムと妻の目が開かれた」というのは、どういう意味ですか。(7)
裸は、それまでは素晴らしいことだったのに、どうして突然に恥ずかしくなったのですか。(7、10、2:25)
男と女が神様から自分を隠そうとしたのは、何を表していますか。
罪をそそのかしたのは女だったのに、なぜ神様は先に男を叱られたのでしょう。(9−11)
自分の創造主に対するアダムと妻の答えを、どう思いますか。(12−13)
この世の最初の夫婦の大きな愛は、そのときどうなったでしょうか。
14−20
堕落は、サタンにとって、また爬虫類にとってどういう結果をもたらしましたか。
(14−15)
15節は聖書の最初の福音といわれています。後に来られる救い主についてどう言っているか、できるだけたくさんの答えを考えてください。
もし堕落がなければ、女と子供の関係、また女と夫の関係はどういうものだったと思いますか。(16)
17aから見ると、男のまず最初の罪は何ですか。今の世の中に、それはどのように現れていますか。
堕落は他の被造物にどんな影響を与えましたか。
死をもたらしたのは妻だったのに、アダムはどうして彼女に“すべて生きているものの母”という名前を付けたのでしょう。(20)
まとめの質問
もしこれが歴史的な事実ではなく伝説なら、キリスト教会の神観と人間観はどのようになっていきますか。
今日の箇所はあなたと神との関係、あるいはサタンとの関係、また隣人との関係についてどんなことを気づかせてくれましたか。心の中で答えてもかまいません。
福音
15節の女の子孫は乙女から生まれたイエス様を指しています。サタンは十字架の上
で彼のかかとを貫きましたが、イエス様は復活したことにより、サタンの頭を踏み砕か
れたのです。イエス様はこのように、堕落のために壊れたものすべてを回復させてくだ
さいました。
***
3.さらば楽園 創世記3:21−4:12
背景:仏教の教えによると、動物を殺すのはよくないことですが、聖書では最初に動
物を殺したのは神ご自身でした。
3:21−24
どうして罪人は楽園に住めないのですか。(21−22)
楽園を追い出されたこの最初の夫婦にとって、一番つらかったのは何だったでしょう。
なぜ神様は、この二人を裸のままでは楽園から出さなかったのですか。
神様が二人の衣を、植物からでなく動物の皮で作られたのはどうしてでしょう。
動物を最初に殺したのは人間ではなく神であった、ということは私たちにとってどんな意味を持っていますか。
21節はイエス様についてどう言っていますか。
4:1−2
カインというのは、ヘブル語の“得る”という言葉に似ています。
エバの経験した妊娠と出産を、後の女性たちの妊娠と出産と比べてください。
エバはどうして最初の息子にこの名前を付けたのか、いろいろ考えてください。
アベルというのは、息、空虚、蒸気という意味です。アダムとエバはどうしてこんな名前を選んだのでしょう。
3−5b
この箇所には、人類の最初の神様への捧げものが描かれています。ノアの洪水以前に
は動物が食べられていないことに注目してください。おそらく神様は、天から火を降ら
せることによって、アベルの捧げものを受け入れたことを示されたでしょう。(列王記
上18:38、歴代上21:26、歴代下7:1)
最初の家族は、どこから主へ捧げものをしようということを思いついたのでしょう。
アダムの息子たちは、何を目的に捧げものをしましたか。
羊は、肉ではなく毛のために飼われていました。アベルが人間で初めて、羊の初子の心臓に石斧を突き刺したとき、どんな気持ちだったでしょう。
神様が作物ではなく、羊を喜ばれた理由を考えてください。(4−5a)
ヘブル人への手紙の著者は、いまの質問にこのように答えています。「信仰によって、アベルはカインよりもすぐれたいけにえを神にささげ、そのいけにえによって彼が義人であることの証明を得ました。神が、彼のささげ物を良いささげ物だとあかししてくださったからです。彼は死にましたが、その信仰によって、今もなお語っています。」(ヘブル11:4)
カインも彼なりに神様を信じていましたが、アベルの信仰とどう違いましたか。
5b−7
7節の罪という言葉はヘブル語では女性名詞でしたが、男性名詞に変えられて悪魔を
意味するものとなっています。イエス様もサタンを人殺しと呼ばれました。(ヨハネ
8:44)
神様が自分の捧げものに目を留められなかったことが、カインにとってこれほどまでに受け入れられなかったのはどうしてでしょう。(5b−7)
自分の捧げものが神に喜ばれなかったことに気づいたとき、カインは何をすべきでしたか。
7節をご自分の人生に当てはめてください。
8−12
イエス様はアベルを最初の殉教者と呼ばれました。(マタイ23:35)
・アベルの殺人は、どういう点で特に冷酷だったのですか。(8)
カインの罪と彼の両親が楽園で犯した罪を比べてください。
神様は、答えをご存じなのに、なぜ9節aの問いをなさったのですか。
カインの答えは、彼自身について何を表していますか。(9a)
10,11節から、人間と土の関係についてどんなことが分かりますか。
殺人や妊娠中絶などが、この国にどんな影響を及ぼしたと思いますか。
11,12節によると神様の呪いは、どんな形で現れてきていますか。
「アベルは今もなお語っている」というのは、どういう意味ですか。
(ヘブル11:4b)
アベルはどういう点で、イエス様のひな形ですか。
福音
「血が流れないと、罪の赦しはない」と聖書に書いてあるとおり、植物は捧げものとして神に喜ばれません。神の子羊であるイエスの血だけが、神に喜ばれる生け贄だということが、この箇所からはっきりと分かります。神がアダムとエバにされたように、私たちにも義の衣を着せるためにイエス様は死ななければならなかったのです。
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4.アダムとエバと息子たち 創世記4:13−5:6
ヘブル人への手紙の中に、アベルについて重要なことが書かれています。「新しい契約の仲介者イエス、それに、アベルの血よりもすぐれたことを語る注ぎかけの血に近づいています。」(ヘブル12:24)
アベルの血は、私たちに何を語っていますか。イエス様の血は私たちに何を語っていますか。
4:13−16
神の呪いについてのカインの応答をどう思いますか。そこから、カインと神との関係について何が分かりますか。(13,14)
神様がそれでもカインを愛しておられると、どうして分かりますか。
神が下さったカインの印とはどんなものだったかを、いろいろと考えてください。(15)
カインが住み着いた場所について、何がわかりますか。(16)
4:17−24
この箇所から、カインの家族についてどんなことが分かりますか。
カインの家族から始まった文化は、何でしょう。(20−22)
15節と23,24節を比べて、復讐というのがカインの部族にとってどんな意味だったか、考えてください。
カインの部族の価値観と、昔の武士の価値観を比べてください。
25―26
堕落する前は、人間は死ぬものではなかったことに注目してください。
自分たちの罪は、長男が弟を殺して国を出た、という結果をもたらしました。アダムとエバがそれを乗り越えた力はどこから来たと思いますか。
アベルのお葬式の時、両親は自分たちが楽園で犯した罪についてどう思ったでしょうか。
アダムとエバは何年間も二人きりで暮らさなければなりませんでした。彼らが130歳のときにやっとセト(セツ)が生まれました(5:3)。それまでの二人の希望や慰めは何だったか考えてください。
自分自身の親としての欠点や罪に気づいたとき、私たちはどんなことを慰めにすればいいでしょう。
セトの誕生は、両親にとってどんな意味だったでしょう。いろいろ考えてください。
26節bは、定期的な礼拝の始まりとされています。アダムとエバはなぜこのときに始めたのでしょう。
5:1−6
アダムは神に似せたものとして創られましたが、セトはアダムに似たもの、というのはどういう意味だと思いますか。(1,3)
カインとセトの妻はどこから来ましたか。
最初の人がそんなに長生きした理由はなんですか。いろいろ考えてください。
アダムとエバの人生は幸せでしたか、不幸せでしたか。みなさんはどう思いますか。理由も言ってください。
Tコリント15:45−49
この箇所でイエス様は第二のアダムとか最後のアダムと呼ばれています。(アダムはヘブル語で人間という意味です)
第二のアダムは何のために必要でしたか。
イエス様が最初のアダムに似ているところと、違うところを考えてください。
私たちと最初のアダムとの共通点は何ですか。
第二のアダムは誘惑に負けなかったのに、どうして十字架の上で死ななければならなかったのですか。
いつ、私たちは第二のアダムのかたちを持つようになりますか。
まとめの質問
・この“最初の家族”の学びの中で、みなさんの一番大きな発見は何ですか。
福音
イエス様は人類の歴史の中で、真に新しい出発をされました。第二のアダムとしてサタンの誘惑に打ち勝ち、堕落なさいませんでした。禁断の実は食べなかったのに、最初の家族、そしてみなさんの家族の代わりにその罪の罰を受けてくださったのです。
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